肥満度(BMI)と免疫関連有害事象の関連性

肥満度(BMI)と免疫関連有害事象の関連性

肥満度(BMI、ボディマス指数)と免疫チェックポイント阻害薬の安全性プロファイルの関係に関する知見を提供する研究

肥満は、さまざまな種類の腫瘍において、患者の予後不良と関連している。しかし、免疫チェックポイント阻害薬を投与された転移性メラノーマ、非小細胞肺がん、腎臓がんの患者の解析では、逆説的に、肥満が生存率の改善と相関していることが示されている。そこで、肥満が免疫療法の副作用とも関連するかを調べるため、Jennifer McQuade医師率いる研究者らは、既存の臨床試験データを用いて、ボディマス指数(BMI)と免疫関連有害事象(irAE)の関係を調査した。本試験では、14の臨床試験、8つの腫瘍タイプにおいて、イピリムマブ(販売名:ヤーボイ)併用または非併用で体重ベースのニボルマブ(販売名:オプジーボ)治療を受けた3,772人の患者が対象となった。その結果、肥満は、正常または低体重のBMIと比較して、軽度または中等度のirAEの発生率が高いことと関連していた。しかし、より深刻なグレード3または4の有害事象については相関がみられなかった。本研究はBMIと免疫チェックポイント阻害薬の安全性プロファイルの関係について、さらなる知見を提供するものである。詳細はJAMA Oncology誌(JAMA Oncol. 2023;9(1):102-111)に掲載されている。

(*サイト注: 「免疫関連有害事象(irAE)」とは、免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(immune-related Adverse Events)。呼吸器症状、消化器症状、皮膚症状、肝機能異常、神経症状など多岐にわたる。)

監訳 加藤恭郎(緩和医療、消化器外科、栄養管理、医療用手袋アレルギー/天理よろづ相談所病院)


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【MDアンダーソンがんセンター研究ハイライト2022/12/19】

免疫療法の治療と副作用、標的療法の進歩、新たな腫瘍医のトレーニング、および国際的な創薬リソースに関する考察

テキサス大学 MD アンダーソンがんセンター研究ハイライトでは、MD アンダーソンの専門家による最近の基礎的、トランスレーショナル、および臨床的がん研究を簡潔に紹介しています。最近の前進には、ある種の卵巣がんに潜在的な治療効果がある細胞周期チェックポイント阻害剤、アフリカのフランス語を話す腫瘍学プロバイダー向けの遠隔指導プログラム、肥満と免疫療法の副作用との関係に関する洞察、世界最大のがん創薬データベースの更新、EGFR経路の遮断による治療反応の改善、および免疫療法関連の腎障害に対する新しい非侵襲的診断テストが含まれます。


翻訳担当者 大澤朋子

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原文掲載日 2022/12/19

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